eバイクの認証: UL 2849に基づく評価と試験
eバイクの電気駆動系、バッテリー、充電システムの組み合わせを検証し、火災安全を認証するUL 2849をご検討ください。
eバイク・電動自転車用電気システムに関する規格であるUL 2849の評価、試験、認証
潜在的な危険を調査することは、消費者の信頼構築とブランドの評判を守る基本的な取り組みです。eバイクの技術の進化に伴い、安全な走行のための新たな対策や保護回路が求められています。
当社は、eバイクや電動アシスト自転車(EPAC)の安全性を評価するために、業界のリーダーたちの協力を仰ぎ、次世代eバイクの安全要件である「電動自転車用電気システムに関する規格(UL2849)」を開発しました。この規格は、eバイクの電気駆動系システム、バッテリーシステム、充電システムの組み合わせを検証し、電気および火災安全に関する認証を提供するものです。
UL 2849 適用範囲:
- eバイク(一般的に座って操作、路上で使用)およびペダルアシスト付き電動アシスト自転車
- 製品の寿命に伴う充電時の感電の危険性、およびその他の潜在的な感電の危険性
この規格では、運転者が操作中の制御を保持する能力は評価しません。
「米国消費者製品安全委員会(CPSC)マイクロモビリティ安全ガイダンス 」のご案内
2022年12月20日、米国消費者製品安全委員会(CPSC)は、小型モビリティ機器の製造者、小売業者、輸入業者、販売業者に対して、規定のUL安全規格に準拠するよう呼びかけました。これには、ホバーボードなどのパーソナルeモビリティ機器の電気システムを対象としたUL 2272およびeバイクの電気システムを対象としたUL 2849の対象となる製品も含まれます。CPSCのリリースにはこちらからアクセスできます。
ニューヨーク市議会がマイクロモビリティ機器とバッテリーに関する法律を制定
ニューヨーク市議会は2023年3月2日、電動自転車、電動スクーターなどのバッテリーに対する火災安全性を強化するため、電動自転車、電動スクーター、eモビリティ機器、軽電気自動車(EV)用バッテリーパックに対して、第三者認証を義務付ける法案663-Aを可決しました。2023年3月20日、ニューヨーク市のEric Adams市長がこの法律に署名しました。この新しい法律により、電動自転車、電動スクーターなどのマイクロモビリティ機器を販売、リース、配布する企業は、2023年9月16日までに、UL Solutionsまたは他の国家認定試験所(NRTL)から、以下の認証を取得する必要があります:
- UL 2849 (電動自転車用電気システムに関する安全規格) : ニューヨーク市内で販売、配布、リース、レンタルされる電動自転車の電気システム
- UL 2272 (パーソナルeモビリティ機器の電気システムに関する安全規格): ニューヨーク市内で販売、配布、リース、レンタルされる電動スクーターを含むすべての電動モビリティ機器
- UL 2271 (軽電気車両(LEV)用バッテリーに関する規格): ニューヨーク市内で販売、流通、リース、レンタルされる電動自転車やモビリティ機器用の蓄電池
法律の詳細についてはこちらをご覧ください。
「9月に施行される法律により、市内で販売されるこれらの機器(マイクロモビリティ)はすべて、 UL Solutionsまたは国家認定試験所(NRTL)の認定を受けることが義務付けられます」
リチウムイオン電池の安全性に関する消費者製品安全委員会フォーラム(Consumer Product Safety Commission Forum on Lithium-ion Battery Safety)でのFDNY消防署長Daniel E. Flynnによる声明 (2023年7月27日)
UL 2849認証に関する全米自転車販売業者協会(NBDA:The National Bicycle Dealers Association)の小売店および業界向け声明文
NBDAは、リチウムイオン電池を動力源とする電気自転車および電気スクーターの購入が急増していることから、小売店および業界に対し、安全性に関する注意喚起を行ってきました。
2022年7月15日、NBDAはすべての小売店に対し、eバイクやeバイクに搭載されているシステムに対し、UL 2849に基づく認証を取得することを、ベンダーやサプライヤーに働きかけるよう呼びかけています。また、eバイクのサプライヤーに送付することを目的としたUL 2849の認証取得を要請するレターを小売業者の皆様にお送りします。
「自転車業界は早急に対策を講じる必要があります。この分野の専門家と幅広い協議を行った結果、eバイクおよび電子スクーターのリチウムイオン電池の安全性は、今すぐ行動しなければならない大きなテーマであることが明らかになりました。私たちが小売店向けに用意した注意喚起の通達は、eバイク業界のさらなる成長とすべての人の安全を実現するためのものです。核心的な課題に取り組まなければ、私たちの手に負えない事態に発展する可能性があります。」
Heather Mason NBDA会長
eバイクの安全性に関するEN 15194およびその他欧州市場規格
当社は、欧州市場における以下のeバイク規格を支持しています。
- EN 15194は、eバイクのための唯一固有の公開規格です。現時点では、EN 15194はUL 2849が対象としているような、バッテリーパックを使用した電気システムの安全性は対象外としています。
- EN 50604-1「小型電気自動車用(LEV)バッテリー」、およびEN 62133-2「補強システムバッテリー」
- EMC指令(2014/30/EU)
- RoHS指令 (2011/65/EU)
- 2014/53/EU (RED) 「デバイスが無線技術を使用する場合」
- 製品安全に関する機械指令(2006/42/EC)
- eバイクに関するISO 4210-10(開発中)は、数年後EN規格として採用される可能性があります。
eバイク認証のメリット
製品が適切な規格に適合していることを証明するのは容易ではありません。しかし、UL Solutionsはそのプロセスを簡略化することができます。UL Solutionsは、UL Standards EngagementによるUL 2849の規格開発にも寄与しており、試験・認証に関する技術要件に精通しています。当社の技術的専門知識と試験能力を活用することで、お客様の規制上の受け入れ、およびブランドの認知度向上のための支援を提供します。しかし、それ以上に重要なことは、すべてのeバイクの製造者が担う重要な責任である、より安全な製品を市場に届けるための支援を、提供可能であるということです。火災、電気、および関連する危険に関する情報・知識を提供する全米防火協会(NFPA)は、UL Solutionsのような世界的に認められた試験所によって認定され、それに応じてラベル表示されたeバイクおよび電動スクーターのみを購入するよう消費者に勧告しています。NFPAによる電子バイクの安全性に関するアドバイスについては、こちらをご覧ください。
UL認証は、お客様の製品、プロセス、サービス、また会社が厳しい要求事項を全てクリアしていることをお客様に伝える、大変有効なマーケティングツールです。この実績を公表することで、お客様の製品の存在感を高め、競合との差別化を図ることで、市場での勝利につなげることができます。
eバイクの認証にUL Solutionsが選ばれる理由
UL Solutions は、労働安全衛生局(OSHA)から、マイクロモビリティ製品の UL 2849(電動自転車用電気システムに関する規格)の認証を行う国家認定試験機関(NRTL)として認定されています。
当社は、お客様のeバイクや電動アシスト自転車(EPAC)の試験サービスを包括的に提供することで、お客様に一つの答えを示す役割を果たします。当社の専門家チームが、米国消費者製品安全委員会(Consumer Product Safety Commission)の安全基準を満たすために必要な、電気および火災安全認証の取得を支援し、グローバル市場での製品販売を可能にします。さらに、この規格に精通しているからこそ、お客様のコスト削減および市場投入までの時間短縮に役立ちます。