PFASに関する課題解決は、規制およびプラスチックの専門家にお任せください。UL Solutionsがご提供するサービスをご紹介します。
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昨今、サステナビリティを高め、人々の健康を守るため、有毒物質を含まないプラスチックの重要性が増しています。特に、PFAS (パーフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物の総称) はその広範な使用と、生態系や人々の健康に対する永続的な影響の可能性から、重大な懸念物質として注視されています。PFASは「フォーエバー・ケミカル (永遠の化学物質)」としても知られ、各国政府や技術団体から注目が高まっている対象となっています。

PFAS関連規制

PFASは、水、汚れ、油、熱、シミ、グリースに耐性を持つ、フッ素樹脂のコーティングや製品に使用されており、繊維、食品包材、調理器具、化粧品、塗料、殺虫剤、電子機器などの多くの製品に含まれています。

幅広いPFASの用途と、長期的な接触による健康リスクへの懸念の高まりから、このような有毒物質の人体や環境への曝露の軽減が課題になるとともに、近年、特定用途におけるPFASの使用を規制し、排除するため、世界および地域レベルで新しい化学物質規制が導入されています。

特に米国や欧州では、PFASフリー規制の導入が進められています。

ノンフッ素 (Non-Fluorine) 及びノンPFAS (Non-PFAS) 認証

各分野に適用される規制を把握しながら、透明性や法令に準拠した製品を顧客に提供する事は、煩雑な作業です。市場でノンPFAS材料の評価と明記を求める声の高まりを受け、この度、UL Standards & Engagementは「UL 746G: An Outline of Investigation for Non-Fluorine and Non-PFAS containing materials」を発表しました。

UL746Gでは、プラスチック材料に対する任意のノンフッ素またはノンPFAS定格に関する要件が定義されています。これらの要件を満たすことが確認されたプラスチック材料は、その結果をQMFZ2カテゴリー (Plastics – Component) のイエローカードで公開され、検索可能となります。

  • ノンフッ素材料 (Non-Fluorine materials) : フッ素含有量が50 ppm未満のプラスチック材料。
  • ノンPFAS材料 (Non-PFAS materials) : フッ素含有量が50 ppm未満かつ、特定PFAS (UL 746Gの表8.2に記載) の含有量が25 ppb未満、かつ特定PFASの総含有量が250 ppb未満のプラスチック材料。
  • ポリマーPFAS以外のフッ素の総含有量が50 mg/kg超のノンPFAS材料 (Non-PFAS w/ total fluorine >50 mg/kg not due to polymeric PFAS) : 特定PFAS (UL 746Gの表8.2に記載) の含有量が25 ppb未満で、特定PFASの総含有量が250 ppb未満であり、ポリマーPFAS由来ではないフッ素含有量50 ppm超のプラスチック材料。(注: 材料に含まれるフッ素がPFASによるものではないことを検証するため、材料配合の詳細な検証が必要です)。

ノンフッ素 (Non-Fluorine) 及びノンPFAS (Non-PFAS) 認証のサンプル上記の要求事項への適合が確認された材料は、その定格がイエローカードで公開され、検索可能となります。イエローカードは、その材料が要求事項へ適合し、評価済であることを示すもので、第三者試験機関による試験・認証済み材料を使用しているという信頼性の獲得に役立ちます。
プラスチック材料向けPFAS試験・認証サービス

ノンPFAS認証のメリット

  • 仕様作成担当者やその他の購買担当者が、ノンPFAS要件を満たすプラスチックを容易に検索することができます。
  • 繰り返し要求されるロット試験や情報開示の削減が可能になります。
  • 世界的に認知された規格および試験方式による評価を受けることができます。
  • UL Product iQやUL Prospectorで明確かつ信頼性の高い方法で適合情報を伝達できます。
  • ノンPFAS評価によって安全性評価を効率化し、市場投入にかかる時間を短縮できます。
  • 定期的なサンプル試験が設けられたフォローアップサービス (FUS) でPFASの評価を含めることで、引き続き安全性と性能の要件を満たした製品であることを示すことができます。