UL Solutionsトレーサビリティプログラム
ワイヤリングハーネス、プロセストワイヤとは
エンドメーカーの組立工場で製造する製品に使用する部品が、外部の加工業者等を経て納入される場合、最終製品の組立工場で部品のULマークが確認出来ない場合があります。その際にUL Solutionsのトレーサビリティプログラムを活用することで、使用される電線・端子・コネクタ・チューブなどの構成部品のUL認証が明確にトレース可能となり、製品の信頼性を向上できます。
UL Solutionsの各種トレーサビリティプログラムのうち、主にハーネスメーカーの電線・ケーブルの加工に対するプログラムに、「ワイヤリングハーネス」と「プロセストワイヤ」とがあり、それぞれ以下のように分類されています。
ワイヤリングハーネス Wiring Harness | 定義: 1本以上の電線に他の部品(例: 電線、コネクター、圧着端子、結束バンド、絶縁チューブ、スリーブなど)が機械的且つ電気的に接続されたもの。加工内容: リステッドの電線およびレコグナイズドコンポーネントの電線(AWM)に他の部品を取り付けるハーネス加工。モールド成型を行うハーネス加工。 (CCN: ZPFW2, ZPFW8) |
プロセストワイヤ Processed Wire | 定義: 電線を切断したもの。電線の端末の被覆をむいたもの。端末の片端または両端をハンダ付けしたもの。端末の片端または両端に圧着端子がついたもの。電線を巻き直ししたもの。加工内容: リステッド電線およびクラシファイド電線の切断や巻き直し。 レコグナイズドコンポーネント電線(AWM)の切断や巻き直し。 (CCN: ZKLU, ZKLU7, ZKLU2, ZKLU8) |
ワイヤリングハーネス、プロセストワイヤのトレーサビリティ証明
- エンドメーカーは、最終製品の、UL Solutions フォローアップサービス プロシージャで該当するハーネスの構成部品(電線、コネクター、チューブ、結束バンド、その他部品)の要求事項を反映したハーネス図面を作成します。
- エンドメーカーとハーネスメーカーとの間で、ハーネス図面や仕様書を取り交わします。
- ハーネスメーカーは、ハーネス図面に指定のある部品を調達し、ハーネス図面の指示どおりにハーネスを組み立てます。電線のULラベルや部品の梱包等は保管が必要です。
- ハーネスメーカーは、ハーネス出荷時の梱包箱に、該当するULラベル(ワイヤリングハーネスのラベル又はプロセストワイヤのラベル)を貼り、登録者名やハーネス図面の図番などを現品票に記載して、ハーネスをエンドメーカーへ納品します。ハーネスメーカーではULラベルを使用したハーネスの品番(図番)、ULラベルの受入量、使用量、在庫量をULラベル台帳で管理します。
- エンドメーカーでは、ハーネスメーカーから納品された梱包箱に貼られたULラベルで、UL Solutionsのトレーサビリティプログラム(ワイヤリングハーネスまたはプロセストワイヤ)を適用したハーネスである事が証明でき、また、現品票に記載された図番のハーネス図面でハーネスの構成部品を証明します。
- 最低年4回、エンドメーカーとハーネスメーカーとで弊社の検査員による工場検査(フォローアップサービス)が実施されます。ハーネスメーカーがハーネス図面と異なる部品を使用している場合などハーネス図面と異なるハーネスを製造している場合やULラベルに誤使用があれば指摘事項(バリエーションノーティス)となり是正を促します。
ワイヤリングハーネス、プロセストワイヤの申請
必要書類
- お見積り/申請依頼書:https://japan.ul.com/wp-content/uploads/sites/27/2014/06/0_wireandcable.doc
- サービス契約書:申請時にご案内します。
認証申請費
- 申請時に発生する申請費用です。業務開始前に予納金としてお支払いいただく場合があります。
フォローアップサービス費
- 認証業務完了後に以下の費用が発生します。
- ファイル年間登録費: 申請者が登録した製造工場ごとに年1回発生する費用
- プログラム費: 各製品カテゴリに対して四半期毎に発生する費用
- ラベル費: ラベル注文時に発生する、製造費・取扱手数料・送料と、サービスチャージの費用
認証発行までの期間
- 認証発行までにかかる期間は、ハーネス加工のモールド成型の有無によって異なります。
- モールド成型がある場合は、サンプル提出と試験実施が必要になる場合があります。
- モールド成型がない場合は、サンプル提出は不要で、業務開始後約4週間程度。※ お問合せをいただく際に、モールド加工の有無をお知らせください。
- 登録した製造工場で初めてULラベルを貼って製品を出荷される際には、認証発行後、製品の出荷前に、弊社の検査員が立会いのもとラベルを開封し、初回ロット検査(IPI)を受けていただく必要があります。
材料技術部 ワイヤー&ケーブル WCQuote.jp@ul.com