2022年6月29日
株式会社UL Japan

 
世界的な安全科学リーダーであるUL Solutions(本社:イリノイ州ノースブルック)は、日本における安全試験サービスを強化し、モビリティ産業のコネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化のCASE対応を支援しています。多くの自動車部品が電子制御されるようになり、品質確保の観点から、自動車産業では実際の使用環境を模擬したEMC試験*1の実施が重視され始めており、UN ECE Regulationにて、従来のALSE法(アンテナ照射法)に比べ、実環境により近いRVC法が導入されることとなりました。UL Solutionsは、規格の変更に素早く対応するために、オートモーティブテクノロジーセンターを拡張し、リバブレーションチャンバー(RVC: Reverberation Chamber、以下RVC)*2を導入します。

RVCを導入する事により、電波暗室内に均一な電界を発生させる事ができるため、様々な電磁波が混在する都市部のような電磁環境を模擬した試験を行う事が出来ると共に、近年の急速な車両の電子制御化に対応した信頼性の高いEMC試験が可能となります。

また、今回のRVC導入により、これまで対応が難しかった、民間及び軍用航空機内に搭載される電子機器に対するEMC試験規格であるRTCA DO-160GやMIL-STD-461Gへの対応も可能となります。

UL Solutionsコンシューマー機器事業部 事業部長 松岡雅子は、オートモーティブテクノロジーセンター拡張について次のように述べています。「オートモーティブテクノロジーセンターは、急速に変化する自動車産業をサポートするため、2017年6月より自動車産業の集積する愛知県みよし市で稼働開始し、自動車産業からの様々なご要望にお応えしてきました。今回の拡張もお客様のご意見やご要望、規格動向に迅速に対応するために拡張を決定しました。今後もUL Solutionsは、お客様に寄り添い、市場の動向を捉えながら、車載技術の発展の一翼を担うべく関連試験設備の継続的な投資並びに高品質なサービスの提供を進めてまいります。」

オートモーティブテクノロジーセンターは、一般的な車載部品に対するEMC試験に限らず、高電圧に対応した電源を保有しているため、電気自動車(EV)やハイブリッド自動車(HV)の部品に対するEMC試験も実施可能です。また、固定型ダイナモ搭載電波暗室(EHV Chamber)も有しており、今回のRVC導入により、より多くの車載部品に対して、ワンストップでの試験の実施が可能となります。UL Solutionsは、20年以上にわたる無線製品・無線技術分野での豊富な経験と実績、EMC試験の経験を活かし、車載機器に対して年間1,500件以上のEMC試験を実施し、EMC試験、無線試験、認証を総合的に支援しています。

またUL SolutionsではEMC試験に限らず、無線試験、国際規格や国内外自動車メーカー独自規格等で要求される車載機器の信頼性試験(環境試験・耐久性試験)も同時に行うことが可能です。また、松岡は「これからのモビリティ業界に求められるトータル・コンプライアンス・ソリューションを提供し、日本発の「モビリティ」の可能性を社会全体、そして世界に向けて、日本のモビリティ産業と共に広げていきたいと考えます。」と述べています。
Reverberation Chamber

RVC仕様:

  • 寸法(室内): 10.08m x 6.36m x 4.00m
  • 寸法(シールド面): 10.13m x 6.42m x 4.30m
  • 電源容量: 最大1000V 200A
  • 対応周波数: 80MHz~18GHz
対応規格:

  • ISO11452-11
  • IEC61000-4-21
  • RTCA DO-160G
  • MIL-STD-461G
  • その他車載機器EMC試験

また、弊社UL Japanは、2022年6月29日(水)~7月1日(金)にかけてポートメッセなごやで開催される展示会 「人とくるまのテクノロジー展 2022 名古屋」 に出展します。本展示会ではリバブレーションチャンバーをご紹介するとともに、「車載機器EMC試験/電気試験」、「無線試験」、「安全試験(信頼性試験、バッテリー安全試験、光放射安全試験)」など、幅広いサービスをご紹介いたします。

ご多忙中とは存じますが、ぜひこの機会に弊社ブースにお立ち寄りいただけますようお願い申し上げます。

人とくるまのテクノロジー展 2022 名古屋

  • 会期:2022年6月29日(水)~ 7月1日(金) 10:00~18:00(最終日のみ17:00まで)
  • 会場:ポートメッセなごや
  • ブース番号: 115 (オンラインでも出展しております)
  • 出展内容:
    1. 車載機器EMC試験/電気試験
    2. 無線試験
    3. 安全試験

*1 EMC(電磁環境両立性)試験
試験対象が発生する電磁ノイズ(電磁妨害波)が他の機器に影響を与える危険性があるか、あるいは一定の強さのノイズを受けた時に誤作動が起こらないかを計測すること。「電動化」や「コネクテッド」が進み、走るコンピューターとも称されるようになった自動車において、車載部品が動作する際に発せられる電磁ノイズによる車載部品同士の電磁干渉が重大な事故を招く可能性があるため、EMC試験の必要性が高まっている。

*2 リバブレーションチャンバー(RVC: Reverberation Chamber)
金属のスターラー(かくはん機)を内包したシールドルーム。主にシールドキャビティと電磁波スターラーの回転による共振周波数変化が可能な機器で構成され、電磁波スターラーをステップ回転させる事により、ある周波数において様々な共振モードが発生し、統計的にチャンバー内に均一な場を生成する事が可能となる。


▽UL Solutionsの概要
安全科学における世界的リーダーとして、UL Solutionsは、100カ国以上のお客様に向けて、安全性、セキュリティ、サステナビリティに関する課題を機会に変える支援を提供します。UL Solutionsは、試験、検査、認証サービスや、関連するソフトウェア製品およびアドバイザリーサービスを提供し、お客様の製品イノベーションやビジネスの成長をサポートします。UL認証マークは、お客様の製品の信頼性の証として認知されており、安全性に関する我々のミッションを推進するという揺るぎないコミットメントを反映しています。お客様のイノベーション、新製品およびサービスのリリース、グローバル市場への展開や複雑なサプライチェーンへの対応を支援することで、将来に向けてサステナブル、かつ、責任ある方法で成長を実現するためのサポートを提供します。我々の科学的知見をお役立てください。

▽株式会社UL Japanの概要
株式会社UL Japan は、 世界的な第三者安全科学機関であるUL Solutionsの日本法人として、 2003 年に設立されました。 現在、 UL Solutionsのグローバル・ネットワークを活用し、 北米のUL マークのみならず、 日本の電気用品安全法に基づく安全・EMC 認証のPSE およびS マークをはじめ、 欧州、 中国市場向けの製品に必要とされる認証マークの適合性評価サービスを提供しています。 詳細はウェブサイトをご覧ください。

▽オートモーティブテクノロジーセンターの概要
UL Solutionsのオートモーティブテクノロジーセンターでは、急速に変化するモビリティ分野に焦点を当て、車載用高電圧製品の試験機能を備えています。各地からのアクセスが良く、多くの車載機器・自動車部品メーカーが拠点を構える愛知県にて、RVC以外にも固定型ダイナモ搭載電波暗室であるEHV Chamberをはじめ、各種試験に対応可能です。詳細はウェブサイトをご覧ください。

サービス内容

  • 自動車メーカー規格試験
  • 国際規格・業界規格に基づく試験評価
  • EMC(EMI / EMS)
  • 電気試験(LV123, LV124, LV148, ISO 7637-2,-3)
  • CISPR 25:2016 Ed.4 Annex I
  • ISO 11452-2 Ed.3 Clause 8, GB/T 36282:2018
  • インパルス試験、電源変動試験など

 
住所
 
愛知県みよし市根浦町1丁目3番地19
TEL: 0561-36-6120
FAX: 0561-36-6820

アクセス
 
東名高速道路 三好IC より車で3分
名鉄豊田線 黒笹駅または三好ヶ丘駅から車で6分

▽本件に関するお問合せ先
株式会社UL Japan マーケティング部 担当:山崎
TEL: 03-5293-6031
FAX: 03-5293-6001