パーソナルeモビリティ機器の評価、試験、認証
UL Solutionsは、eスクーターおよびeバイクなどのパーソナルeモビリティ機器の評価、試験および認証サービスを提供しています。お客様の製品が必須安全要件を全て満たしていることを確認するお手伝いをいたします。
eモビリティの安全性評価
当社は、電気駆動システム、バッテリーシステム、充電器システムの組み合わせ試験および評価により、お客様のパーソナルeモビリティ機器が安全要件を満たしていることを実証するための支援を提供します。また、電気および火災安全に関する認証も行っています。世界的に普及が進む電動移動機器において、その安全な運用を支援することは、消費者とブランドを守るために不可欠な要素です。
ANSI/CAN/UL2272(パーソナルeモビリティ機器の電気システムに関する規格)の評価、試験、認証
この規格は以下を対象としています。
- ホバーボード、電動スクーター、電動スケートボードなどのパーソナルeモビリティ機器(一人乗り、路上走行不可、基本的に立ち乗り式の機器です)
- UL 2272は、米国国家規格協会(ANSI)およびカナダ規格審議会(SCC:Standards Council of Canada)で認可を受けた米国およびカナダの国家規格です。2カ国共通のUL規格で評価および認証を行うことで、認証プロセスが簡素化されます。
本規格では、使用者が走行中にコントロールを保つ能力については評価しません。
「米国消費者製品安全委員会(CPSC)マイクロモビリティ安全ガイダンス 」のご案内
2022年12月20日、米国消費者製品安全委員会(CPSC)は、小型モビリティ機器の製造者、小売業者、輸入業者、販売業者に対して、規定のUL安全規格に準拠するよう呼びかけました。これには、ホバーボードなどのパーソナルeモビリティ機器の電気システムを対象としたUL 2272およびeバイクの電気システムを対象としたUL 2849の対象となる製品も含まれます。CPSCのリリースにはこちらからアクセスできます。
ニューヨーク市議会がマイクロモビリティ機器とバッテリーに関する法律を制定
ニューヨーク市議会は2023年3月2日、電動自転車、電動スクーターなどのバッテリーに対する火災安全性を強化するため、電動自転車、電動スクーター、eモビリティ機器、軽電気自動車(EV)用バッテリーパックに対して、第三者認証を義務付ける法案663-Aを可決しました。2023年3月20日、ニューヨーク市のEric Adams市長がこの法律に署名しました。この新しい法律により、電動自転車、電動スクーターなどのマイクロモビリティ機器を販売、リース、配布する企業は、2023年9月16日までに、UL Solutionsまたは他の国家認定試験所(NRTL)から、以下の認証を取得する必要があります:
- UL 2849 (電動自転車用電気システムに関する安全規格) : ニューヨーク市内で販売、配布、リース、レンタルされる電動自転車の電気システム
- UL 2272 (パーソナルeモビリティ機器の電気システムに関する安全規格): ニューヨーク市内で販売、配布、リース、レンタルされる電動スクーターを含むすべての電動モビリティ機器
- UL 2271 (軽電気車両(LEV)用バッテリーに関する規格): ニューヨーク市内で販売、流通、リース、レンタルされる電動自転車やモビリティ機器用の蓄電池
法律の詳細についてはこちらをご覧ください。
「9月に施行される法律により、市内で販売されるこれらの機器(マイクロモビリティ)はすべて、 UL Solutionsまたは国家認定試験所(NRTL)の認定を受けることが義務付けられます」
リチウムイオン電池の安全性に関する消費者製品安全委員会フォーラム(Consumer Product Safety Commission Forum on Lithium-ion Battery Safety)でのFDNY消防署長Daniel E. Flynnによる声明 (2023年7月27日)
シンガポール陸上交通庁(LTA:Singapore Land Transit Authority)およびUL 2272
米国以外でも、政府の規制当局からUL 2272への適合が要請されています。2018年9月10日、シンガポール陸上交通庁 (LTA)は、「公共の安全のため、公道での使用を目的としたすべての電動式PMD(パーソナルモビリティ機器)にUL 2272規格への適合を要請する意向である。2019年7月以降、小売業者に対し、UL 2272規格に適合してない電動式PMDの販売を禁じる意向である。」と発表しました。
Singapore’s consumer safety websiteによると、「ここ数年、電動式PMDによる火災が急増しています。火災事故を最小限に抑え、公共の安全を向上させるため、LTAは2021年1月1日からすべてのPMDに火災および電気安全に関するUL 2272規格を採用します。2019年6月30日以降に購入したUL 2272非認証のeスクーターは、登録または譲渡を行うことができません。2019年6月30日以前に購入したUL2272非認証のeスクーターに関しては、2020年12月31日までは登録して公道で使用できますが、それ以降は自動的に登録が抹消され、公道で使用することができなくなります。」と記載されています。
ライドシェアサービス会社によるeスクーターの普及が進む中、乗車する消費者であろうと、ライドシェア事業者であろうと、機器のUL認証を確認することが重要です。
eバイクおよびその他のeモビリティ機器に関する欧州安全規格のサポート
当社は、欧州市場におけるeバイクに関する以下の規格をサポートしています。
- EN 15194
- EN 50604-1(軽電気自動車バッテリー)およびEN 62133-2(携帯または補助システムバッテリー)
- EMC指令(2014/30/EU)
- RoHS指令(2011/65/EU/)
- 2014/53/EU(RED)– 機器が無線技術を使用する場合
- 製品安全に関する機械指令(2006/42/EC)
- eバイクに関するISO 4210-10(開発中)は、数年後EN規格として採用される可能性があります
当社は、欧州市場における電動スクーターおよびその他の電動モビリティ機器に関する以下の規格をサポートしています。
- EN 60335-1は、ホバーボードに一般的に使用されている標準規格です。本規格では、UL 2272が対象としているようなバッテリーパックを使用した電気システムの安全性を対象外としています。また、IEC 60335-2-114はEN規格として認められていません。
- EN 50604-1(軽電気自動車バッテリー)およびEN 62133-2(携帯または補助システムバッテリー)
- EMC指令(2014/30/EU)
- RoHS指令(2011/65/EU/)
- 2014/53/EU(RED)– 機器が無線技術を使用する場合
- 製品安全(機械指令2006/42/EC)
- 電動スクーターの場合、EN17128(策定中)およびEN60335-1が広く採用されていますが、バッテリーパック使用電気システムに必要な安全性をすべてカバーしているわけではありません。暫定的にUL規格を使用することができます。
パーソナルeモビリティ試験および認証にUL Solutionsが選ばれる理由
UL Solutionsは、労働安全衛生庁(OSHA:Occupational Safety and Health Administration)から、マイクロモビリティ製品のUL 2272(パーソナル電動モビリティ機器電気システム規格)に対する認証を行う国家認証試験機関(NRTL:Nationally Recognized Testing Laboratory)として認められています。
UL Solutionsの経験豊富な技術者が、数十年に及ぶ経験を生かし、電気駆動システム、バッテリーシステム、充電器システムの組み合わせの試験と評価を行い、電気および火災安全に関する認証を提供します。世界的に普及が進む電動移動機器において、当社のグローバルリーチと各地域における見識を生かし、お客様がグローバル市場にアクセスできるよう支援します。
UL認証は、お客様の製品、プロセス、サービス、また会社が厳しい要求事項を全てクリアしていることをお客様に伝える、大変有効なマーケティングツールです。この実績を公表することで、お客様の製品の存在感を高め、競合との差別化を図ることで、市場での勝利につなげることができます。
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