2012年3月15日発表

米国の製品安全試験・認証機関であるUL Inc.(本社:イリノイ州ノースブルック、以下UL)の日本法人である株式会社UL Japan(本社:三重県伊勢市、以下UL Japan)は、2012年3月6日付でISOの電気・電子部門を担当するIEC(国際電気標準会議)がUL JapanのPV試験所(三重県伊勢市)をCBスキーム*1に基づき、CB試験所(Certified Body Testing Laboratory:CBTL)として認定したと発表しました。

CB試験所として認定を取得したことにより、UL Japanが国内で提供するPV(Photovoltaic:太陽電池)試験は、IEC(国際電気標準会議)に加盟するすべての国で通用するCBレポートの発行を可能としました。この結果、海外展開を強化するPVモジュールメーカー、関連部材(ジャンクションボックス、コネクター、ケーブル、樹脂材)メーカー、業界関係者等に向けて、PV機器向けの性能・安全試験サービスをグローバルに提供できるようになり、各国で異なる製品安全認証の取得にかかる期間の短縮ならびにコスト削減を実現します。

株式会社UL Japan取締役社長の山上英彦は、「2010年9月より、PV機器の安全・性能試験サービスを提供してきたPV試験所が、今回CB試験所として認定されたことで、お客様が安全かつ安心できる製品を、より早く国内外の市場に送り出すお手伝いができるようになったことを嬉しく思います。今後は、より一層信頼性の高い評価試験を提供すると同時に、更なるビジネスの拡大を見込んでいます」と述べています。

グローバルビジネスを強化するULが保有するPV試験所としては、すでにサンノゼ(米国)、蘇州(中国)、フランクフルト(ドイツ)がCB試験所の認定を取得し、今回が世界で4番目のCB試験所となりました。CB試験所として認証が可能となった規格は以下の通りです。

1. IEC61215 ed.2 (2005-4-27): 結晶系太陽電池性能評価規格
2. IEC61646 ed.2 (2008-5-14): 薄膜系太陽電池性能評価規格
3. IEC61730-1 ed.1 (2004-10-14): 安全規格 
4. IEC61730-2 ed.2 (2004-10-14): 安全規格

PVモジュールの長期信頼性が注目される中、長期の環境試験の需要がより一層の高まりを見せています。UL Japanは市場ニーズに柔軟に対応すると同時に、日本のPV専用試験所として太陽光発電技術研究組合(PVTEC)に加入し、国際基準認証信頼性(QA)フォーラムを通じて、PVモジュールの長期信頼性の規格策定活動に積極的に参画しています。また、本年7月1日から導入が開始される再生可能エネルギーの固定価格買取制度のより円滑な運用に寄与していきます。

UL JapanのPV試験所における対応可能な設備概要は、こちら をご覧ください。

*1: CBスキームについて
IECEE(IEC電気機器安全規格適合性試験制度)に基づき運営されているCBスキームとは、IEC(国際電気標準会議)に加盟する世界各国の製品安全試験の認証機関が参加する「相互認証制度」のことです。CBスキームで使用される規格は、世界共通のIEC基づいて製品安全試験を行うため、この制度の加盟国にあるNCB(National Certification Body:国内認証機関)、またはCB試験所からCBレポートとCB証明書を発行してもらい、それらを他の加盟国のNCBに提出することで、その国の認証取得に必要な試験項目を大幅に省略できます。その結果、製品の輸出国により差異がある製品安全認証のプロセスが簡略化され、認証にかかる期間の短縮とコスト削減につながります。多くの国・地域は、電気製品の安全性においてIEC規格をベースとしており、この国際際規格を作成している IEC(国際電気標準会議)には、70近い国々が加盟しています。

【一般からのお問い合わせ先】

株式会社UL Japan マーケティング部 担当:梅田
Tel: 03-5293-6032 Fax:03-5293-6001

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