[プレスリリース]UL、自動車産業のCASE対応推進に向け伊勢本社に車載機器に特化した信頼性試験ラボ新設
米国の第三者安全科学機関であるUL Inc.(本社:イリノイ州ノースブルック、以下UL)は、日本において自動車産業の“CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)”対応を支援する安全コンプライアンス・サービス事業を強化します。その一環として、車載機器に特化した信頼性試験ラボを新設します。国際規格や国内外自動車メーカー独自規格等で要求される車載機器の各種環境試験・耐久性試験を取り扱い、2019年春の稼働を目指します。
自動車産業の“CASE”のうち、電動化や電子化、自動運転などの先進運転支援システムの採用を反映し、自動車にはセンサやカメラ等の搭載電子部品が増加し、装着部位も拡大しています。エンジンルームに設置される場合、部品に対しては振動はもちろん、高温や油・塩水に晒される厳しい環境下での稼働が要求されます。また、電子制御システムが高機能化、融合化、高度化、複雑化することから、デバイスレベルからモジュール、ユニットまで、これまで実施しなかった過酷な環境試験・耐久性試験が必要となってきています。
しかし、このように複雑化する車載部品と高まる信頼性試験の要求に対し、各自動車部品サプライヤーが要求を満たすための最新の試験設備を自社内で全て整備するには、投資費用の面からも、試験技術者のスキルの面からも、極めて負担が大きいと言えます。
ULの信頼性試験ラボは、これまで安全規格の策定や安全認証で培った豊富な知見と経験を活かし、車載機器に特化して国際規格及び国内外各社自動車メーカー独自規格等に基づく試験を提供します。自動車メーカーや自動車部品サプライヤーは、試験に関する設備及び人的投資を行うことなく、中立な立場である第三者安全科学機関による公正公平な品質の高い評価・試験結果を得ることが出来ます。また、車載機器に関するEMC試験や無線試験等のその他サービスもワンストップでご利用頂け、試験にかかるコスト、サンプル数、評価期間、輸送等の労力を削減する事もできます。
今日、自動車産業は、”CASE”に代表される技術革新により、100年に一度と言われる大変革期を迎えています。上記の変化だけでなく、材料の進化、パワートレインの変化、新たな通信手法や自動運転の実現、シェアリングなどの新サービスやサイバー・セキュリティへの対応など、広範な領域でこれまでにない技術の実用化が図られています。これらの技術的課題は、国際規格による透明化や標準化、また国内外各社自動車メーカー独自規格等による顕在化の上、それらに基づき科学的に解決していく必要があります。
ULは、さらなる自動車産業の”CASE”対応を支援するため、信頼性試験ラボに加えEHV Chamber *¹の増設に関しても決定しました。(サービス提供開始時期等は、改めて発表します。)今後も投資を続け、さらにサービスポートフォリオを拡大させていきます。今回の発表の車載機器の信頼性試験に加え、EMC、無線、サイバー・セキュリティ、相互接続性、材料、電池など、これからの自動車業界に求められるトータル・コンプライアンス・ソリューションを提供し、日本から生まれる「モビリティ」の可能性を社会全体、そして世界に、日本の自動車産業と共に広げていきたいと考えます。
*¹ EHV Chamber
電気自動車およびハイブリッド自動車(EV/HV)部品向け固定型ダイナモメーター搭載電波暗室。走行状態を模擬した実負荷をかけた状態で、試験対象が発生するノイズ(電磁妨害波)が他の機器に影響を与える危険性があるか、あるいは一定の強さのノイズを受けた時に誤作動が起こらないかといったEMC(電磁環境両立性)を計測する試験設備です。Chamberとは、この場合電波暗室のことを指しており、外部環境に存在する電波の干渉を受けないよう、また内部から発生する電波を遮断できるように建設されたシールド空間のことです。
【株式会社UL Japanの概要】
株式会社UL Japanは、世界的な第三者安全科学機関であるULの日本法人として、2003年に設立されました。現在、ULのグローバル・ネットワークを活用し、北米のULマークのみならず、日本の電気用品安全法に基づく安全・EMC認証のSマークをはじめ、欧州、中国市場向けの製品に必要とされる認証マークの適合性評価サービスを提供しています。詳細はウェブサイト(https://japan.ul.com/)をご覧ください。
【ULの概要】
ULは、科学の活用によって安全、セキュリティ、サステナビリティ(持続可能性)における課題を解決し、世界中の人々のために安全な生活/職場環境を推進します。ULマークがもたらす信頼が、先進的製品及び技術の安全な導入を可能にします。ULのスタッフは世界をより安全な場所にするという情熱を共有しています。その提供サービスは、試験・検査・監査・認証・検証・アドバイザリー/トレーニング・サービスなど多岐にわたります。また、安全とサステナビリティに関するソフトウェア・ソリューションを提供することで、これらの活動を支援しています。
詳細はウェブサイト(UL.com)をご参照ください。