ジエタノールアミンを含む化粧品等に関するカリフォルニア州プロポジション65 (Prop65)の動向
カリフォルニア州プロポジション65(以下Prop65)は、規制対象物質の多さと対象製品が限定されないことや、非常に多くの訴訟が提起されている一方で規制値は製品中の含有量ではなく「人へのばく露量」であることから、製造メーカーおよび流通関係者にとっては対処に大変苦慮する法令として知られています。
特に2024年から化粧品やパーソナルケア用品(フェイスケア、ボディケア、ヘアケアを目的とした商品)を対象としたProp65の訴訟の事前通知(60日前通知)が急激に増えており、その多くはジエタノールアミン (Diethanolamine; DEA) へのばく露に関するものとなっています。
ジエタノールアミンは、界面活性剤、腐食防止剤や研磨剤、起泡安定剤、乳化剤、pH調整剤などの用途で多くの化粧品とスキンケア・ヘアケア商品に配合されていることが知られています。
Prop65においては、2012年に発がん性を原因とした懸念物質としてリストされて以降、2013年からは毎年数件~数十件の訴訟の事前通知が確認されていましたが、2024年は874件(前年比約15倍)と急増しました。(下図のグラフ参照)
訴訟の対象製品を確認すると、ジェル状やクリーム状のものが多く訴えられていることがわかります。製品群としてはマスカラのようなメイクアップのための化粧品をはじめ、フェイスケア、ボディケア、ヘアケアを目的にしたいわゆるパーソナルケア用品といった幅広い製品が対象になっています。
ジエタノールアミンが含まれる製品をカリフォルニア州に上市する場合は、製品等への警告表示をするか、もしくはこれらの化学物質にばく露しないこと、ばく露しても安全なレベルであることを確認しておくことが求められます。

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