6月にIECEEより、IEC 60601やIEC/ISO 80601が適用される医療機器評価に関するOD-2055というガイダンスが更新されました。 このガイダンスには、認証機関が統一したCBレポート、認証書を発行するために満たさなければならない要求事項が記載されています。

その中で電源にインパクトの大きい内容が含まれているため、以下の通りご案内します。

1. ガイダンスの中で、“Component Power Supply”と”Stand-Alone Power Supply”の定義が明確に
.  なりました。 (参照:OD-2055, Clause 3)

  • Component Power Supply:医療機器もしくは医療機器システムへの組込を意図した電源 (例:外装のないオープンフレーム電源)
  • Stand-Alone Power Supply: ACインレットもしくは電源コード付きで供給され、外装が有り、医療機器もしくは医療機器システムへの組込を意図しない電源 (例:ACアダプタやダイレクトプラグイン電源)
    .  

2. さらに、両タイプの電源のIEC 60601-1 第3版または3.1版(Third Edition Amendment1)でのCB申請に
.  おけるリスクマネジメントファイル評価及びユーザビリティ規格(IEC 60601-1-6, IEC62366)の適用の扱い
.  が明確になりました。

.  特にインパクトの大きいのが、Stand-Alone Power Supplyに関連する以下の点になります。
.  Stand-Alone Power Supplyの場合、

  • IEC 60601-1第3版または 3.1版のCB申請では、従来電源への適用は任意とされてきたリスクマネジメントファイル評価を含めることが必須となりました。
  • IEC 60601-1 3.1版のCB申請では、ユーザビリティ規格(IEC 60601-1-6, IEC 62366)の適用が必須になりました。

 

現状のIEC 60601-1規格の各版でのCB申請での扱いをまとめると以下となります。

※リスクマネジメントファイル評価:RMF    ユーザビリティ評価:60601-1-6 と記載

Component Power Supply 60601-1第2版
RMF概念なし
60601-1-6適用任意
60601-1 第3版
RMF適用任意
60601-1-6適用任意
60601-1 3.1版
RMF適用任意
60601-1-6適用任意
Stand-Alone Power Supply RMF概念なし
60601-1-6適用任意
RMF適用必須
60601-1-6適用任意
RMF適用必須
60601-1-6適用必須

この内容は、新規申請、発行済みのCBレポートに対する変更、基本的にいずれにも該当しますが
お手持ちの電源のCBレポートについてご不明な点・ご相談がございましたら、個別で回答させていただきますので、ご連絡下さい。また上記は弊社で作成した概要説明のため、正式な表現は原文をご参照ください。
http://www.iecee.org/Operational_documents/od-cb_index.html

【お問合せ】
ライフ&ヘルス事業部 製品安全チーム
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