[プレスリリース]3Dプリンティングで造形した樹脂部品の安全性と性能のばらつきに関する調査研究をULが発表
2020年4月14日
(2020年3月25日発表抄訳版)
米国の第三者安全科学機関であるULは、安全上重要な役割を果たすプラスチックスの性能特性に3Dプリンティングが与える影響について明らかにする調査結果を発表した。調査結果は、材料の評価および認証のフレームワークの開発や、さらには、付加積層造形(AM)サプライチェーン全体にかかわるステークホルダーのリスク軽減や品質・性能維持に役立つ。
ULは、従来の射出成形により成形されたサンプルと3Dプリンタで造形されたサンプルの双方について、難燃性、耐着火特性および耐電気特性を検証した。その結果、同一樹脂であってもこれらのサンプル間には、安全性と性能に大きなばらつきがあることを確認し、3Dプリンタで造形した部材・部品には、従来の成形技術での性能評価結果を適用できないと結論付けた。
この結果に基づき、ULは3Dプリンタ用樹脂材料の認証プログラム(ブルーカード)を開発した。ブルーカードは、3Dプリンティングで造形した部品や製品を対象とした3Dプリンタ用樹脂材料の完全性と有用性を確認するのに必要なデータが掲載される。UL認証(UL Recognized Component Mark)を取得した3Dプリンタ用樹脂材料には、ブルーカードが発行される。
UL認証登録された3Dプリンタ用樹脂材料は、UL Product iQ(TM)データベースで公開され、多くのメーカーによって検索される。すでに試験・認証された3Dプリンタ用樹脂材料を使用することで、最終製品メーカーは製品やシステムの認証にかかる時間と費用を節減できる。ブルーカードは3Dプリンタ特有の認証であり、3Dプリンタメーカーが認証材料を使用していることを明示することもできる。
ULの調査概要は、ULのホワイトペーパー「Certifying plastics for additive manufacturing(積層造形用プラスチックの認証)」をご参照ください。調査研究の詳細版 もダウンロード可能です。
UL積層造形用プラスチック認証プログラムの詳細については、UL.com/BlueCardをご参照ください。
▽ULについて
UL は、科学の活用によって安全、セキュリティ、サステナビリティ(持続可能性)における課題を解決し、よりよい世界の創造に寄与します。そして、先進的製品/技術の安全な導入を実現することで、信頼を高めます。UL のスタッフは世界をより安全な場所にするという情熱を共有しています。第三者調査から規格開発、試験、認証、分析/デジタルソリューションの提供まで、UL は業務を通じて、より健全なグローバル社会の構築を目指します。 UL に対する信頼が、企業、メーカー、政府当局、規制機関、人々のスマートな決断を支えます。詳細はwww.UL.com をご参照ください。ULの非営利活動については、UL.orgをご参照ください。
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英語版のリリースはこちら
https://www.ul.com/news/ul-finds-safety-variability-3d-printed-plastic-parts