2018年4月発表
株式会社UL Japan

米国の第三者安全科学機関UL Inc.(本社:イリノイ州ノースブルック、以下UL)は、約190か国の安全レベルを数値で可視化し、比較できるようにしたツールUL Safety IndexTM(UL安全指数)を公表していますが、今回これを更新し、新たな評価項目として「Road Safety (以下、交通安全)」を追加したと発表しました。UL Safety Index最新版では、オランダとノルウェーは引き続き最も安全な国として位置づけられ、オーストラリア、スウェーデン、カナダがそれに続いています。今回の追加により、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドの順位が上がった一方、デンマーク、シンガポール、ドイツ、米国の順位は下がりました。日本のスコアは昨年から1ポイント上昇の89で、全187か国中19位に位置しています。

UL Safety Index は、「Institutions and Resources: 組織力と国力(経済および教育等)」、 「Safety Frameworks: 安全性向上への取り組み(法規制や安全性を高めるインフラストラクチャーの整備)」、および「Safety Outcomes: 安全性に関する統計結果(不慮の怪我・死亡の発生数)」の3つの安全に関する推進要因に基づいて、各国の相対的な安全性評価を提供します。そして、187ヵ国のそれぞれの国に対し、0~100の値で総合安全指数を算出します。

特記すべき事項:
・ 米国は、89ポイントで前回の91ポイントからわずかに減少したが、高い数値を維持した。「交通安全」においてはマレーシア、フィンランド、アルゼンチンに次いで69ポイントであった。

・ オランダ、ノルウェー、オーストラリア、スウェーデン、カナダが最も高いスコア(92ポイント以上)を獲得した。一方、ソマリア、南スーダン、ギニアビサウは21ポイントを下回った。

・ 日本は東アジア地域において最も高いスコアとなる89ポイントを獲得し、中でも「交通傷害」と「中毒」の発生率に関して高スコアを獲得した。新評価項目である「交通安全」に関しては95ポイントで、世界ランキングでも7位と、比較的高いレベルを保持している。一方で、「転倒」に関しては66ポイントで、世界ランキング160位と非常に低く、昨今の高齢化問題が浮き彫りになっている。

・ 全ての要因の中で、経済や教育レベルを示す「組織力と国力」が総合安全指数に最も大きな影響を与えた。例えば、インドの「Safety Frameworks: 安全性向上への取り組み」は73ポイントを超える比較的高いスコアだが、「Institutions and Resources: 組織力と国力」では強い組織や資源等の欠如から、43ポイントを下回り、総合安全指数は63ポイントとなった。

ULパブリックセーフティー部門のディレクター、デイビッド・ロス(David Wroth)は、次のように説明しています。「最新のデータを組み込むことで、UL Safety Indexは各国の安全性を示すより充実したツールとなりました。最大の変更点は、新たに「交通安全」に関する評価項目を加えたことです。交通事故は不慮の負傷や死亡の最大の原因の一つであることから、評価項目として含めることが不可欠であると考えました。2016年発表したUL Safety Index (2013年当時のデータによる)と比較すると今回『上位10ヶ国の順位』に変化があり、この交通安全に関するデータの影響が表れている点は非常に興味深いところです。 安全とは、複数の可変の要素がそれぞれの機能を果たすシステマチックなものであり、各要素がどのようにつながり合っているかという結果が、UL Safety Index として提示されます。UL Safety Indexは毎年更新される予定で、この指数がもたらすメリットを最大限に享受できる国における安全に関する改善点が『Safety Outcomes: 安全性に関する統計結果』のスコアに肯定的な変化として現れることを、心より期待しています」。

“世界中の人々の生活と労働環境の安全性を促進する”というミッションの下、ULは、この定量的評価を通じて、公衆衛生と安全に関する対話を継続してまいります。2016年に政策立案者やその他のステークホルダーによる安全問題に関する意思決定を促進するために開発された本ツールは、安全性の向上に向けた投資の優先順位の割り出しに活用することも可能です。また、本新バージョンの指数は各国の経年推移を確認できるようになりました。

UL Safety Indexでは、生データや安全指数を広く公開することに加え、世界中の多くの方々が活用できるよう、コンテンツライブラリを作成しました。さらに、政府やその他のステークホルダーが世界各国で実施している効果的な政策およびプログラムのデータベースを収集し、整理・体系化しています。今後ULは国別のケーススタディや政策立案者向けのツールキットを作成し、発表していく予定です。

ロスは、次のように述べています。「当初、UL Safety Index安全に関する対話・議論を活性化し、それぞれの国の問題解決を促すことを目標としていました。公表から1年を経て、南アフリカ、インド、ベトナムではツールとしての採用に向けた具体的な議論が始まっており、これらの地域のステークホルダーと緊密に連携しUL Safety Indexがどのように意思決定のプロセスに活用できるか話し合っています。UL Safety Index は、各界のリーダーに情報を提供するだけではなく、他者に行動を促すのに役立つストーリー、政策、そしてプログラムとなり得るのです。」

UL Safety Indexおよび同指数の算出法や引用データ等に関する詳細は、www.ULSafetyIndex.orgをご覧ください。

*UL Safety Indexは、不慮の負傷・死亡のみを対象とし、紛争による負傷・死亡については対象に含まれていません。

【株式会社UL Japanの概要】
株式会社UL Japanは、世界的な第三者安全科学機関であるULの日本法人として、2003年に設立されました。現在、ULのグローバル・ネットワークを活用し、北米のULマークのみならず、日本の電気用品安全法に基づく安全・EMC認証のSマークをはじめ、欧州、中国市場向けの製品に必要とされる認証マークの適合性評価サービスを提供しています。詳細はウェブサイト(UL.com/jp)をご覧ください。 UL Japanの情報は以下のソーシャルメディアアカウントからもご覧いただけます。
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【ULの概要】
ULは、科学の活用によって安全、セキュリティ、サステナビリティ(持続可能性)における課題を解決し、世界中の人々のために安全な生活/職場環境を推進します。ULマークがもたらす信頼が、先進的製品及び技術の安全な導入を可能にします。ULのスタッフは世界をより安全な場所にするという情熱を共有しています。その提供サービスは、試験・検査・監査・認証・検証・アドバイザリー/トレーニング・サービスなど多岐にわたります。また、安全とサステナビリティに関するソフトウェア・ソリューションを提供することで、これらの活動を支援しています。詳細はウェブサイト(UL.com)をご参照ください。

【本件に関するお問い合わせ先】
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Tel: 03-6809-1300 E-mail: ul_pr_japan@allisonpr.com