[お知らせ] 次世代通信のコアテクノロジー、Time Averaged SAR (TAS) 機能搭載機器の認証試験サービスを開始しました
米国の第三者安全科学機関であるUL(本社:イリノイ州ノースブルック)は、日本において、国内はもとより、世界各国への無線搭載通信機器等製品の規制適合試験、認証取得対応支援を行っています。その事業の一環として、三重県伊勢市 伊勢本社内の本社EMC試験所にて、次世代通信のコアテクノロジー、TAS※搭載モデルの認証試験サービスを開始しました。
5GやWiFi6に代表される次世代通信規格が実用化の段階を迎えました。この技術を搭載した機器は、通信の高速化、大容量化、さらに高出力化が進み、端末単位での電力消費量が増大してきております。セルラー通信分野においても、2G、3G、4Gと技術革新がすすんでおり、また、WiFi通信分野でも、2.4G帯から5G帯、11ac, 11axの採用など、セルラー同様に技術革新がすすんでおります。端末通信機器がこれらの最新の技術を搭載するのに伴い、各国が法規等で定める、人体への電波の影響、人体曝露の規制要求を満足することが困難な状況になっております。
こういった進化する通信技術に対する人体曝露への基準適合のため、TASを搭載する製品が増加してきました。この技術は、時間平均電力制御ともよばれ、通信品質を落とさず、送信状態を変動させることにより、電波の平均出力を低減させる技術になります。
TASを搭載した製品への各国の電波規制の要求にしたがった適合試験は、従来の測定装置では実施できませんでした。このたび、ULは、新たにTAS搭載機器の測定に対応可能な試験設備を準備致しました。既存の電波利用設備に加え、TAS搭載機器を含めた電波利用機器への法規適合試験サービスを提供し、北米(FCC, ISED)、欧州(CE Marking)、日本(電波法)など、認証対応範囲の拡大を進めてまいります。
【主な導入機材】
- BJ-8827 Anechoic Chamber for Laptop Test
- CMW500用ソフトウェアライセンス
- E7515B UXM 5G用ソフトウェアライセンス
※) Time Averaged SAR (TAS):
ワイヤレスデバイスの送信電力をリアルタイムで確実に制御し、時間平均送信電力(Time Averaged SAR)を、特定のテクノロジと帯域に事前定義されたしきい値未満に維持するアルゴリズム。