IEC 62368-1 情報サイト
IEC 62368-1新規格への対応準備に役立つ情報/ご案内を集約したページです。IEC 62368-1に関する総合情報源として、ご活用ください。
2023年5月26日にIEC 62368-1: 2023 (第4版) が発行されました。
これに伴い、第4版 評価サービスを開始いたしました。詳細はこちら
IEC 62368-1: オーディオ/ビデオ、情報および通信技術機器-安全要求事項
IEC 62368-1: Audio/Video, Information and Communication Technology Equipment – Safety Requirements
テレビ受信機能がある携帯電話、パソコンやハードディスクを備えたテレビなど、IT機器とAV機器に共通の技術が使われるケースが増えています。それに伴い、IT機器なのかAV機器なのかどちらともとれない製品が増え、これらの製品をどちらかのカテゴリーに区分する意味は失われつつあります。
IEC 62368-1は、このような製品技術の集約という背景の下、IT機器の規格であるIEC 60950-1と、AV機器の規格であるIEC 60065の対象製品を1つの規格に集約することを目的に開発された新しい国際規格です。この規格にはまた、従来の試験規定や設計 (構造) 規定に基づくのではなく、エネルギー源を重視したハザードベース・セーフティ・エンジニアリング (HBSE: 危険から始まる安全工学) という新しいアプローチが採用されています。製造者の皆様は、このアプローチを設計初期段階から導入することにより、規格作成時に想定されていなかった新しい構造や技術への対応が容易になり、新技術をより迅速に製品に導入できるようになるというメリットが期待されています。
複数の委員会活動を通じてこの規格の開発に深く関与してきたULは、その知識と情報をIT/AV機器業界の皆様と共有することで、円滑な移行を促す力になりたいと考え、新規格への対応準備に役立つ情報やご案内を集約したページをここに開設しました。62368-1に関する総合情報源として、ご活用ください。
サービス
IEC 62368-1第2版のCB証明発行業務開始 – ANSI/UL 62368-1-2014発行
UL Japanは、IEC 62368-1第2版のCB証明発行業務を開始いたしました。
ほぼ時期を同じくして2014年12月1日に米国/カナダ共通規格であるUL 62368-1, the Standard for Audio/Video, Information and Communication Technology Equipment – Part 1: Safety Requirementsの第2版を発行しましたので、UL/cUL認証発行も可能となっております。なお、2019年6月20日以降の新規製品のUL/cUL認証については、この最新版規格を適用します。現在認証を受けている製品の対応については、決まり次第別途お知らせいたします。
参考: Effective Date Information for UL 62368-1
また、EN 62368-1第2版が2014年8月に発行され、その中で旧版の失効日 (DOW) を2020年12月20日と案内しております。ULでは2010年のIEC 62368-1第1版、および2012年のUL/CSA 62368-1第1版発行当初より62368-1での評価・認証業務を行ってきましたが、この度、第2版での認証業務がIEC/EN/UL/CSA 規格共にULで可能となりました。セミナーや比較試験サービスと合わせて、是非ご活用ください。
IEC 62368-1 第3版に対するサービスのご案内
2014年2月に発行されたIEC 62368-1 第2版は、対応する欧州のEN 62368-1:2014、および北米のUL/CSA 62368-1第2版がそれぞれ2020年12月20日に旧規格 (60950-1/60065) の使用期限を迎え、ハザードベース規格への移行が新たなフェーズに入ったところです。欧州では低電圧指令の適合推定のための技術基準として参照される整合規格がEN 62368-1:2014のみになり、北米では該当機器の新規認証は全てUL/CSA 62368-1を使用することとなりました。
2020年12月20日の期限に関する情報についてはこちらをご参照ください。
一方、IEC 62368-1第2版に続くIEC 62368-1第3版と、それに対応する欧州規格EN 62368-1:2020、北米規格UL/CSA 62368-1第3版が発行され、他の国や地域でも最新版の採用の作業や検討が進んでいます。弊社では上記の第2版と並行して既に最新版の規格でもCB認証並びにUL/CUL認証サービスをご利用いただけるようになっておりますが、この度はこの最新版であるIEC 62368-1第3版についての規格動向や弊社のサービスについてご紹介します。
IEC 62368-1:2018第2版から第3版への移行に際する大きな変更点を以下にまとめております。
- 屋外機器に対する要求事項追加 (IEC 60950-22に相当する内容)
- 光放射に関する新規要求事項追加
- 絶縁液体に関する要求事項追加
- 大型のワークセルに関する要求事項追加 (IEC 60950-23に相当する内容)
- ワイヤレス給電に関する要求事項追加
- Fully Insulated Winding wire (FIW) に関する要求事項追加
- 防火用エンクロージャの開口の代替の決定方法
- 音圧測定の代替要求事項
上記の他、様々な詳細内容について明確化や修正によって多くの疑問が解消され、解釈や運用の統一化が期待される改良がなされております。
ULでは第2版から第3版への変更点による影響の分析を詳細に行ったCertification Impact Analysisをはじめ、旧規格から新規格への移行ガイドとして、規格そのものや様々な解説記事、各種トレーニングなどのKnowledge serviceを用意しております (ToolKit: 要登録・英語・一部有料)。 “What Engineers Ask” (Q&A: 登録不要・英語) ではウェブサイト上で質問を投稿することができ、既に150件近いトピックが掲載されており、日々更新されています。また、ULではLinkedInでIEC 62368-1、AV/ICT機器の製品安全関連の情報発信をしております。下記のディスカッショングループ (英語) へのご登録をお勧めします。(LinkedInのアカウントが必要です)
<<UL hazard-based safety engineering and the hazard-based standard IEC 62368-1>>
DOW/effective date |
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IEC 62368-1:2018 (第3版) に対応する欧州規格EN 62368-1:2020のDOWは、当初2023年1月6日に設定され、UL 62368-1第3版の発効日も欧州に合わせ2023年1月6日に設定されましたが、EN 62368-1: 2020のDOWは延期を繰り返し、現在では CENELEC (欧州電気標準化委員会) 上で2026年1月6日に変更になっています。UL 62368-1第3版については、CENELECとは異なり、現在では2024年7月6日が発効日になります。この日までは第2版と第3版が選択することが可能です1。このような大きな市場での動きの他、特にアジア圏では既に第3版の採用が始まっています。
このような各国の移行により、今後も第3版の採用国が増えていくことが予想されます。 また、IEC 62368-1第4版が2023年5月に発行され、EN 62368-1: 2024は2024年4月に発行されました。CENELEC上のDOWは、2027年2月15に設定されていますので、各国における採用時期、欧州における整合規格の採用については注意が必要になります。 UL Solutionsでは、このような移行計画にいち早く対応できるよう、通常の認証サービスに加え、下記にご紹介するアドバイザリーサービスを合わせて製造者の皆様の新規格への移行を支援いたしますので、是非お問い合わせください。
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IEC 62368-1 第4版に対するサービスのご案内
IEC 62368-1第4版に関するサービスは、こちらをご参照ください。
また認証サービス以外にも、下記のサービスを提供しております。
- 比較試験
お客様の製品を、IEC 62368-1 第2版、第3版または第4版に基づき評価し、レポートを発行いたします。新規格での試験を体験していただくことで、導入に備えた実践的な情報を収集いただけます。 - 適用試験項目の選定サービス
製品構造を確認した後、適用される試験項目を選定するサービスです。試験は実施しいたしません。オプションサービスとして「IEC 62368-1:2014 (第2版) からの変更点」、「IEC 62368-1:2018 (第3版) へ移行した際に、認証に必要となる資料および情報」を提供させていただく事も可能です。対象となるお客様: IEC 62368-1:2018 (第3版) の対応準備を始める方
- アドバイザリーサービス
お客様のご要望に応じて様々な内容を提案いたします。実際の製品を使って、IEC 62368-1のポイント解説、試験方法の模擬および解説などをご提供することも可能です。対象となるお客様: 全てのお客様
- プライベートセミナー (出張セミナー)
HBSEトレーニング資料の使用権を有している唯一の組織であるUL Solutionsは、IT/AV機器業界のお客様を対象に、62368-1規格に対する理解を深めて今後の製品設計に役立てていただけるよう、セミナーやトレーニングを提供しています。講師がご希望の場所に伺ってセミナーを実施するプライベートセミナーになります (オンラインでの実施も可能です)。
アドバイザリーサービスとの組合せや、お客様の製品に特化した内容にカスタマイズしたセミナーの提供も行なっております。これまで多くのお客様にご利用いただいている実績のある、大好評のセミナーです。対象となるお客様: 全てのお客様
詳細はこちら
資料
- IEC 62368-1に関する最新情報
2020年12月20日をもって、欧州、カナダ、米国などでIEC 60065とIEC 60950-1に基づく規格が、IEC 62368-1第2版に基づく規格に置き換えられました。本書には、知っておく必要のある重要な情報がまとめられています。
詳細・ダウンロードページへ - 白書 (white paper) ― ハイテク製品の新しい安全規格
ULが発行した、IEC 62368-1の開発背景とその理念・特性を説明する基本文書です。
参考和訳 - Hazard-based safety engineering (HBSE) ― IEC 62368-1のベースとなる安全設計モデルとは?
ULのエンジニアがHBSEの基本原理やプロセスを詳しく説明しています。
参考和訳 - テクニカル・ブリーフ (技術解説)
ULは、IEC 62368-1の主要な要求事項の概要を説明したテクニカル・ブリーフを順次発行しています。以下に現在発行されているテクニカル・ブリーフとその参考和訳のリストを掲載しました。参考和訳は完成次第、順次掲載します。
日本語版テクニカルブリーフリストへ
関連情報
IEC 62368-1関連情報
- IEC/TR 62368-2について
- 第1回: IEC 62368-1に関するQ&A (PDF)
- 第2回: IEC 62368-1に関するQ&A (PDF)
UL Japan発行のジャパン・オンザマーク第46号 (2013年8月発行) と第49号 (2014年5月発行) に、IEC 62368-1に関するQ&Aを掲載しておりますので、ご利用ください。
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