[プレスリリース] 日本初の3Dプリンタ用樹脂材料のUL認証を株式会社アスペクトに発行
2020年5月25日
株式会社UL Japan
米国の第三者安全科学機関 UL (本社:イリノイ州ノースブルック)は、粉末床溶融結合法(PBF)の3Dプリンタ及び材料メーカーの株式会社アスペクト(本社:東京都稲城市)の3Dプリンタ用樹脂材料(グレード名:ASPEX-PA2FR, ポリアミド12)が、日本初のUL認証(ブルーカードプログラム)を取得したことを発表します。
ULは、2017年4月に射出成型などの従来の成形手法に対する認証制度(イエローカードプログラム)を拡張し、積層造形(AM)という名称でも知られる3Dプリンタで使用する樹脂材料向けUL認証プログラムとして、ブルーカードプログラムを導入しました。
3Dプリンティングによる造形方法は、材料押出法(FDM)や、粉末床溶融結合法(PBF)など多岐にわたり、従来の成形方法と異なる3Dプリンタの造形方法は、試験片の出力方法により、サンプルの燃焼性、着火性、電気特性などの樹脂材料の性能に影響を及ぼします。ブルーカードプログラムでは、3Dプリンタや3Dプリンタで造形した部品/製品に用いられる材料に関して、一貫性と有用性を高める上で必要なデータをお客様に提供します。
株式会社UL Japan 代表取締役社長 山上 英彦は、次のように述べています。「付加造形技術は、従来の成形加工を補完する技術として世界的に普及してきており、研究開発や試作品製造の枠を超えて、幅広い製造プロセスにおいて採用が進んでいます。既存と新技術の融合が、より複雑でカスタム対応を必要とする製品設計やより進化した製造の実現に寄与することが期待されています。今回のアスペクト様への認証発行が、3Dプリンティング技術の発展の一助になるとともに、製造者の間で3Dプリンタ用の認証樹脂材料が広がることを願っています」。
また、株式会社アスペクトの代表取締役社長 早野 誠治は、「当社では、粉末床溶融結合装置と粉末樹脂材料の開発・販売及び受託造形サービスなどを提供しています。今回、当社が開発したRaFaEl II 300C-HTを使って作製した試験片を用いた3Dプリンタ用樹脂材料の試験の結果、ULから難燃グレード V-0 (最小厚:3mm)を取得したことは、弊社が長年取り組んできた研究開発の成果であり、お客様のご要望を反映するものと受け止めており、大変嬉しく思っております。我々は、これからも日本のAM技術の発展に向けて明るい未来を切り開くべく、PBF技術の担い手として邁進していきます」と語っています。
(画像1)RaFaEl II 300C-HT |
(画像2)3Dプリンタによる造形サンプル
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株式会社アスペクトのブルーカード認証の詳細につきましては、こちらをご参照ください。
ULの3Dプリンタ用樹脂材料に関する調査研究をまとめた白書は、こちらからダウンロードしていただくことが可能です。
ULの樹脂材料の認証プログラム(イエローカード及びブルーカード)につきましては、こちらをご覧ください。
3Dプリンタ用樹脂材料を含むUL認証製品・材料に関する詳細は、UL Product iQ™をご参照ください。
【UL の概要】
UL は、科学の活用によって安全、セキュリティ、サステナビリティ(持続可能性)における課題を解決し、よりよい世界の創造に寄与します。そして、先進的製品/技術の安全な導入を実現することで、信頼を高めます。UL のスタッフは世界をより安全な場所にするという情熱を共有しています。第三者調査から規格開発、試験、認証、分析/デジタルソリューションの提供まで、UL は業務を通じて、より健全なグローバル社会の構築を目指します。 UL に対する信頼が、企業、メーカー、政府当局、規制機関、人々のスマートな決断を支えます。詳細はUL.comをご参照ください。ULの非営利分野の活動につきましては、UL.orgをご覧ください。
【株式会社UL Japan の概要】
株式会社UL Japan は、 世界的な第三者安全科学機関であるUL の日本法人として、 2003 年に設立されました。 現在、 UL のグローバル・ネットワークを活用し、 北米のUL マークのみならず、 日本の電気用品安全法に基づく安全・EMC 認証のPSE およびS マークをはじめ、 欧州、 中国市場向けの製品に必要とされる認証マークの適合性評価サービスを提供しています。 詳細はウェブサイト( https://japan.ul.com/ )をご覧ください。
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