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IEC 62368-1は、安全規格において従来の規定的なアプローチから製品設計の早い段階で安全設計を強調した新しいハザードベースのアプローチへ移行するための重要なマイルストーンとなっています。この新しい規格では、最初に規格を改訂することなしに新技術をより容易に導入することができると期待されています。

ULはさまざまな国家委員会のメンバーとしてIEC 62368-1の策定に従事しており、今回、以下の最新アップデートをお知らせしたいと思います。

  • IEC TC 108とIEC 62368-1第2版について
  • UL/CSA 62368-1第1版の北米への適用について

 

IEC TC 108IEC 62368-12版に関するアップデート

IEC 62368-1第1版は、2010年の初旬に発行されましたが、第2版が2013年の初旬に発行される予定であり、最終的に既存の情報技術機器と通信技術機器及び家庭用電化製品に関する規格から置き換わる見通しです。

2011年10月、TC108の会議が開催され、IEC 62368-1、第2版の委員会原案について議論されました。会議は順調に進み、結果として、投票表委員会原案が発行され、関連する国家委員によるレビューがされています。これがIEC 62368-1の第2版になる原案に対する最初の投票となります。

IEC 62368-1に関するIECの技術委員会であるIEC TC108は、この規格の第1版が時期尚早であったことを認識しています。それでも規格が発行されたので、国家委員会や他の関係者は、この規格について詳しく調べ始め、適用させることができました。TC108は、IEC 62368-1第1版を既存規格(IEC 60065とIEC 60950-1)のオプションとしてだけの使用にとどめ、国家委員会や他の関係者が、この規格を学ぶこと及び新しいハザードベースのアプローチを理解するために使用することを推奨しています。よって、一部の国でのみのみIEC 62368-1第1版がオプションとして適用されており、現在IT、事務機器(OFF)のカテゴリーにおいて、併用としてIECEE CBスキームに含まれています。

IEC 62368-1第2版が準備された場合、より広い範囲でIECEE CBスキームに適用され、有効となり、最終的にはIEC 60065とIEC 60950-1から置き換えられることが期待されています。ULはアメリカとカナダでのUL/CSA 62368-1第2版の策定において主導しています。IEC 62368-1第2版は、より多くの国で支持されると考えられています。


UL 62368-1: UL/CSA 60950-1
UL 60065-1の代用

アメリカとカナダにおけるUL 62368-1第1版の適用は、2011年12月12日に承認されました。ULは2012年2月に発行予定の規格の最終原稿の準備をしています(2012年2月17日発行しました)。

UL 62368-1は、カナダを含めた2カ国規格として策定されてきましたので、実際はUL/CSA 62368-1第1版として発行されます。この規格はUL/CSA 60950-1とUL 60065-1の併用として提供します。アメリカとカナダの国家委員会は、産業界が新しい規格について理解すること、そしてこの新しい規格がもたらす柔軟性を活用できるように、TC108の推奨に従って、北米で正式に規格を発行すると決めました。IEC 62368-1とUL/CSA 62368-1の整合化は、多くの労力と時間を要しました。IEC 62368-1第1版の適用は、既に国家デビエーションという大変労力を必要とする開発が完了しているため、北米でのIEC 62368-1第2版の整合規格の開発を導きます。

ULが起案者であるTest Report Formは既に完成しています。新しいUL/CSA 62368-1第1版を正式に発行し次第、ULは新しい規格に対して認証を発行する準備ができることになります。

 

学習スピードを上げて準備を整えましょう

この新規格のベースであるハザードベース・セーフティ・エンジニアリング(HBSE:危険から始まる安全工学)の早期理解は、課題に早く気がつき、新しい規格への移行がスムーズにできます。

新しい規格を深く理解するための方法はたくさんあります。例えば、ULのホワイトペーパーから、テクニカル・ブリーフ(技術解説)から、そしてUL University(現在のUL Knowledge Services)主催のセミナーなどがあります。また、ULは公開フォーラムセッションや規格を初期の段階で適用することに興味をお持ちの企業様を対象としたプライベートミーティングのアレンジもしています。これらのセッションの一例として以下のようなものがあります。

2011年12月7日、ULはInformation Technology Industry Council (ITI)と合同で「Preparing for the Global Transition to IEC 62368-1, A New Product Safety Standard for Audio/Video and Information and Communication」という題名の公開セミナーを様々な企業様向けに台湾で行いました。このイベントには70以上もの専門家が参加されました。2011年3月1日の上海での開催、シカゴでの2011年5月25日のAPEC/IRACの際にITI、CEA、ULと共同で行った発表に続いて、今回が3回目の開催となりました。

詳細はwww.ul.com/hbseにアクセスいただくか、規格・技術関連のジェネラルマネージャー、Kevin Ravoまでお問い合わせください。

 

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