速度を問わず、ウェアラブル技術を安全な状態に保つ
この記事では、コネクテッドウェアラブル技術の規制状況と、市場で受け入れられるように準備するための試験の種類についてご紹介します。
消費者がフィットネスやファッション、そして医療目的でウェアラブル製品を採用する傾向は、ますます高まっています。業界は進化を続けており、変化するネットワークに接続する際は、新しいリスクと安全上の課題に対処する必要があります。最新世代のウェアラブルに関連するリスクのいくつかを探り、試験・認証がコンプライアンスと市場での受容確保のためにどのように役立つかをご紹介します。ULでは、ウェアラブル製品の製造者が複雑化する状況に対応できるよう、さまざまな試験、認証、その他のサービスを提供しています。
消費者や医療従事者は健康やバイタルサインのパラメーターを継続的に監視することを望んでおり、製造者によるウェアラブルデバイスの開発に拍車がかかっています。データサービスの進化に伴い、ウェアラブル製品を含むコネクテッドデバイスは、個人の健康・医療データを常に把握できるよう、変化するネットワークにアクセスする能力が求められます。
ウェアラブル製品の現在と未来
コネクテッドウェアラブル技術には、手首の肌に密着させて装着するもの、ベストなどの衣類に組み込むもののほか、履き物やヘッドウェア、イヤウェア、アイウェアなどがあります。これらのデバイスの用途は、エンターテインメントやファッションから、アクティビティのトラッキングやヘルスモニタリングまで多岐にわたります。
これらの製品には、小型化されたモノのインターネット(IoT)センサーと、対応するソフトウェアによるデータキャプチャおよび送信機能が組み込まれています。
私たちのウェアラブルへの親和性と信頼性が、より高度な機能の開発を促進しています。技術とデータプロバイダーが開発を先導しているように見えますが、製造元と開発者は米国食品医薬品局(FDA)やConformit é Européenne(CE)の要件などの地域の管轄下に置かれており、安全試験を実施する必要があります。
ウェアラブル製品とリスク
イノベーションにはリスクがつきものです。ウェアラブル製品の場合、これらのリスクは物理的なものから仮想的なものまでさまざまです。たとえば、次のようなリスクがあります。
- 製品の安全性と性能
- バッテリーの安全性
- データセキュリティ
- 毒性
- 相互接続性
- 人的要因
- ユーザビリティ
開発の初期段階でこれらのリスクを軽減し、デバイスの安全性、信頼性、市場の受け入れ可能性、およびユーザ満足度を達成することが重要です。
ウェアラブル製品の安全性とコンプライアンス試験
ウェアラブル技術では、市場アクセスや規制当局の認可を得るために、安全性、規制、または認証試験が必要になる場合があります。多くの業界や市場において、様々な要件があります。ULは、医療または健康関連のあらゆるウェアラブル技術に次のようなサービスを提供しています。
- 電気安全試験および認証(UL/C-ULマーク、CBスキーム、欧州、INMETRO)
- バッテリー安全試験および認証
- 比吸収率(SAR)試験
- 生体適合性
- サイバーセキュリティ
- 電磁両立性(EMC)
- ワイヤレスデバイス試験および認証ソリューション
- 相互接続性
- ユーザビリティ
- スマート衣料/履物の品質および性能試験、マーケティングメッセージの検証
- カスタム試験、検証および検査プロトコルの実施
ウェアラブル技術の規格
多くの規格で、ウェアラブル製品に関連するリスクに対処する試みが行われています。
国によって、市場で販売するために遵守すべき規格が異なります。米国FDAおよびカナダ保健省は、自国の要件を満たすために多くのIEC規格を採用しています。米国では、医療機関で使用される機器は、労働安全衛生局(OSHA)の要件を満たし、さらに国家承認試験研究所(NRTL)の認定も受けることが求められています。ULは、次の規格に準拠した試験を提供しています。
ウェルネスまたは非医療用ウェアラブル製品—IEC/UL 62368-1:オーディオ/ビジュアル、情報及び通信技術機器に関する規格—パート1:安全要求事項 | Wellness or nonmedical wearable — IEC/UL 62368-1, the Standard for Audio/Visual, Information and Communication Technology Equipment – Part 1: Safety Requirements |
医療機器の安全性(IEC 60601-1、IEC 60601-1-11)およびすべての関連規格 | Medical device safety — IEC 60601-1, IEC 60601-1-11 — and all related standards |
EMC—IEC 60601-1-2(または、非医療用途ではこれと同等) | EMC — IEC 60601-1-2 (or equivalent for nonmedical applications) |
ユーザビリティ—IEC 60601-1-6(または、非医療用途ではこれと同等) | Usability — IEC 60601-1-6 (or equivalent for nonmedical applications) |
生体適合性—ISO 10993 | Biocompatibility — ISO 10993 |
ソフトウェアサイバーセキュリティ—ANSI/CAN/UL 2900:ネットワーク接続可能な製品の向けソフトウェアサイバーセキュリティに関する規格:パート1:一般要件 | Software cybersecurity — ANSI/CAN/UL 2900, the Standard for Software Cybersecurity for Network-Connectable Products, Part 1: General Requirements |
ソフトウェアのライフサイクルプロセス—ISO 62304 | Software Lifecycle Process — ISO 62304 |
EUにおける無線通信機器のSAR—EN 50566、EN 50360、EN 62209-1、EN 62209-2、EN 62311、EN 62479 | SAR for wireless communication devices in EU — EN 50566, EN 50360, EN 62209-1, EN 62209-2, EN 62311, EN 62479 |
AR/VR/MR機器—ANSI/CAN/UL 8400:仮想現実、拡張現実、混合現実技術機器に関する安全規格—パート1:安全性(作成中。世界初のAR/VR/MR専用の機器安全規格) | AR/VR/MR equipment — ANSI/CAN/UL 8400, the Standard for Safety for Virtual Reality, Augmented Reality and Mixed Reality Technology Equipment – Part 1: Safety (in development, world’s first dedicated equipment safety standard for AR/VR/MR) |
ULの専門家が、ウェアラブルデバイスの規制状況や利用可能な試験についてお客様をご案内します。ULのグローバルサービスは、安全性やデータリスク、コンプライアンスの問題に対応し、お客様が自信を持って製品を市場に投入するお手伝いを致します。
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