コミュニケーションは、組織の成功の根底をなすものと、私たちは理解しています。その重要性 、つまり、関係を構築し、間違いを減らし、イノベーションを促進し、そして透明性を確保することが、重要であることを認識しています。しかし、チームを同じ方向に向かわせるために、いまだに多くの組織が苦心しています。

もし、あなたの組織の中でタスクを達成するのがかなり難しいと思う場合、全てのサプライヤーを巻き込んでください。

ULコンシューマーエレクトロニクス部門の首席エンジニア、Crystal Vanderpanは、「高品質な最終製品を達成するためには、効果的なサブライチェーンコミュニケーションが必要不可欠です。」と述べています。

プリント基板(PCB)に従事していたVanderpanは、当初試験にパスしたプリント基板が、後日に不適合になった事例を目の当たりにしました。ベアボードのそり、層間剝離、熱ストレスによるクラックなど、これらは、彼女が見た品質問題の一部です。

「これらの不適合は、最終製品製造工程において回路が深刻なダメージを受ける可能性があり、製品が市場に出回るまで検出されないかもしれません。」

「部品と最終製品の要求に対して適合を得るために、新規材料は追加試験が必要になる可能性があります。」とVanderpanは、強調します。

「現在のプリント基板実装工程は、繰り返しのはんだ付け工程と、複数サイクルの鉛フリーはんだによる高温の表面実装リフローを含んでいます。また、プリント基板もしくは実装設備にダメージを与える可能性がある特殊な部品を実装するため、プリント基板は、ウェーブソルダー工程と手はんだ工程の組み合わせにさらされるかもしれません。繰り返しのはんだ付け工程によるダメージのリスクは、燃焼性、導体接着性、他の特性の再評価が要求されます。」

製品の市場投入が遅れれば、それだけ多くの時間と費用が発生してしまいます。

「事前確認/プレセレクションは、製品設計者と部品サプライヤーの両方にとって、非常に価値あるツールであり、サプライチェーン全体の製品性能と安全適合性に自信を与えます。」

「さらに、独立した情報源のプレセレクションの試験データを参照することで、最終製品評価の予測性は高められます。製品リードタイムが短縮され、パフォーマンス試験と安全適合の費用を削減できます。」

 

代表実装プロセス

プリント基板用UL規格(UL 796)は、実装工程を代表するためのサーマルストレス評価(ソルダーリミット・プレコンディショニング)を要求します。しかし、Vanderpanが述べたように、実際の実装工程で行われる、多種多様なはんだ付け工程の全てを試験するのは不可能です。

「プリント基板製造者は、ソルダーリミット条件を特定するかもしれません。しかし彼らは、ソルダーフロート試験による実装工程シミュレーションの方法を続けています。」

ソルダーフロート試験のプレコンディショニングは、プリント基板に対して「温度/時間」の登録が一つしかないので、マルチプルソルダーリミットを代表しません」とVanderpan警告しています。

実装工程を調整するため、プリント基板サプライヤーとの対話はとても重要です。サプライチェーンを通じたコラボレーションは、遅延のリスクを軽減するでしょう。

現在、IPCサーマルストレス試験方法、TM-650 2.6.27は、プリント基板の残存性能を確認するために、スタンダード温度プロファイルを適用しています。これらの標準化された設定は、プリント基板が実装工程でさらされる最大ピークリフロー温度と、はんだ付けサイクル数を、プリント基板製造者が特定することを可能にします。

ULは、ソルダーフロート試験の代替として、これらの標準的な残存性能確認方法を、UL 796に追加することを提案しています。提案が受け入れられれば、標準的なソルダーリミットとして、プリント基板認証に用いられることになります。

プリント基板の事前確認/プレセレクションについて、興味を持たれましたか?我々は、実装工程を模擬する標準的なサーマルストレス・プレコンディショニングを提供することで、試験の削減を支援できます。ULのProduct iQデータベースを検索し、認証されたソルダーリミットを確認してください。