SARの現状
SAR測定原理|UL JapanでのSAR測定周波数|SARの現状|UL JapanのSAR試験データ|SAR試験設備
SAR(Specific Absorption Rate)は、人体への特定部位に加えられた電磁波エネルギーの比吸収率を意味しています。SAR試験には、頭に対する Head SAR 試験と胴体(頭以外)に対する Body SAR 試験があります。
当初、主な試験は、携帯電話やコードレス電話など頭に対して加えられた電磁波エネルギーの Head SAR 試験でした。しかし現在では携帯電話以外の無線機器の増加に伴い、米国を中心に胴体(頭以外)に対する Body SAR 試験の要求が増えてきています。
UL Japanでは、DASY5を導入しており、250MHz~5.8GHz帯までの Head SAR と Body SAR が試験可能です。また、GSMやCDMA、LTE方式を採用した携帯端末、情報端末などを試験するために移動機テストセットもご用意しております。
SAR試験を要求している国および対象製品例
国 | 製品 | 規格 | 頭部、胴体部 SAR限度値 |
米国 | 携帯電話、ユーザーに対して20cm以内に接近して使用する無線機器 | FCC 47 CFR Parts 1 & 2, | 1.6W/kg(1g AV) |
Published RF Exposure KDB Procedures | |||
IEEE 1528-2003 | |||
カナダ | 携帯電話、ユーザーに対して20cm以内に接近して使用する無線機器 | RSS-102 ISSUE 5: March 2015 | 1.6W/kg(1g AV) |
Health Canada’ Safety Code 6 | |||
豪州 | 携帯電話、ユーザーに対して20cm以内に接近して使用する無線機器 | Radiocommuncations(Electromagnetic Radiation -Human Exposure)Standard 2014 | 2.0W/kg(10g AV) |
ARPANSA | |||
欧州 | 携帯電話、コードレス電話 | EN50360 EN62209-1 |
2.0W/kg(10g AV) |
携帯機器および身体に装着された無線通信装置 | EN50566 EN62209-2 |
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無線基地局 | EN50383 EN50385 |
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日本 | 携帯電話、ユーザーに対して20cm以内に接近して使用する無線機器 | 設備規則第十四条の二第三項 | 2.0W/kg(10g AV) |
平成25年 総務省告示第三百二十四号 |
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FCC 試験のための試験ガイドライン
FCCのための試験方法として KDB(knowledge data base) ガイドラインがあります。Laptop computer や Tablet computer 製品には KDB Publication 616217、またUSBドングルはKDB Publication 447498 D02など製品の特徴に沿ってガイドラインが用意されており、そのガイドラインに従って試験を行う必要があります。
SARの試験方法に関する各ガイドラインとその他の関連文書は、FCC http://www.fcc.gov/oet/ea/eameasurements.html より入手可能です。
KDB 447498 モバイル&ポータブル手順より
スタンドアロン運用に対するポータブル曝露条件で使用されるモジュール及び周辺機器送信機のSAR評価
測定された SAR 結果によって3つのカテゴリに分かれます。
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● 1g SAR < 0.4W/kg | ホストデバイスの制限なしでの認可可能 ポータブルデバイスに組み込まれて動作可能 |
● 0.4W/kg < 1gSAR < 0.8W/kg | マルチホストデバイス 類似するホストデバイス(例;PDA、Laptop computer、タブレットPC)における使用に対して認可可能 |
● 0.8W/kg < 1gSAR < 1.2W/kg | シングルホストデバイス 単一のホストデバイスにおける使用に対して認可可能(例 PCのみ) |
1g SARが1.2W/kg を超えたもの: | 専用ホストデバイス(限定モデル)における使用に対して認可可能 ユーザーがアクセス可能な外部周辺機器送信機の場合はKDB問合せ、またはPBA(Permit but Ask)、ケースバイケース検討事項についてFCCへ直接問合せを行う。 |
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FCC 人体曝露のカテゴリー