概要
  • FCCは、補聴器両立性( HAC )の確認を要求しています。
  • 補聴器両立性に関する規格ANSI C63.19では、「音響結合モード(M)」でM3、「テレコイルモード(T)」でT3以上と評価された場合に補聴器との両立性があるとみなします。
  • ULではKDB 285076補聴器両立性に関する機器認証ガイダンスに従い、HACの要求に対する確認が可能です。

 

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HAC要求

HAC

補聴器両立性(HAC) 要求

FCCは、下記の機器について補聴器両立性(HAC:Hearing Aid Compatibility)の確認を要求しています。
またカナダISEDにおいてもHAC試験が要求されています。

米国で使用するために製造、輸入されるすべての有線電話、公衆電話、緊急用電話、職場用電話、デジタル無線電話(携帯電話)

HAC規格:ANSI C63.19 - 携帯電話と補聴器間の両立性 –

2003年、FCCはデジタル無線電話(携帯電話)においても、補聴器両立性のための規則を定めており、ANSI C63.19規格*(携帯電話と補聴器間の両立性の試験方法に関する規格)に基づく試験、格付けを規定しています。
ANSI C63.19I規格は2007年版から2011年版への移行期間が終了し、現在(2019年7月時点)は2011年版が有効です。

*ANSI C63.19:“American National Standard for Methods of Measurement of Compatibility between Wireless Communications Devices and Hearing Aids”

規格についてより詳しい内容はお問い合わせください


補聴器のモード

補聴器には、補聴器内蔵のマイクから音を拾う「音響結合モード(M)」のほかに、コイルを介して電磁誘導を起こし音声を受信する「テレコイルモード*(T)」があります。

*テレコイルモード:補聴器の機能を拡張する機能。テレコイルモードに切り替えることで、内蔵のマイクから音声を拾わなくなるため、周囲の雑音に左右されず音声を受信することが可能です。

 ANSI C63.19のHAC格付け

補聴器両立性に関する規格ANSI C63.19では、上記の「音響結合モード(M)」と「テレコイルモード*(T)」の2種類の格付けから補聴器の両立性を判断します。

  • 「音響結合モード(M)」での評価:HAC-RF試験
  • 「テレコイルモード(T)」での評価:HAC-T Coil試験

それぞれの試験について1~4段階で格付けされ、4がもっとも両立性に優れていると判断されます。FCCは、携帯電話について、少なくとも4段階中、3以上*と評価された場合に補聴器との両立性があるとみなします。

*「音響結合モード(M)」でM3、「テレコイルモード(T)」でT3以上


 HAC試験

「音響結合モード(M)」での評価:HAC-RF試験

HAC-RF試験では、音響結合モードで動作する補聴器と対象機器間の干渉を低減する能力について評価を行います。電界強度によりM1,M2,M3,M4 の定格カテゴリに分けられ、M定格が高いほど、低いRFエミッションレベルを持つ、つまり信号品質が高いことを意味します。
FCCが要求するANSI C63.19規格に満足するには、M3かM4に格付けされる必要があります。

HAC Rf test 

【M定格カテゴリ】

Category Limits for E-Field Emissions < 960MHz Limits for E-Field Emissions > 960MHz
M1 50 dBV/m – 55 dB V/m 40 dBV/m – 45 dB V/m
M2 45 dBV/m – 50 dB V/m 35 dBV/m – 40 dB V/m
M3 40 dBV/m – 45 dB V/m 30 dBV/m – 35 dB V/m
M4 <40 dBV/m <30 dBV/m

 


「テレコイルモード(T)」での評価:HAC-T Coil試験

HAC-T Coil試験では、テレコイルモードで機能する補聴器と対象機器との間の誘導結合に関する格付けを行います。テレコイル音声磁界結合試験では、T1、T2、T3、T4 の定格カテゴリーに分けられ、FCCが要求するANSI C63.19 規格を満足するためにはT3 か T4 に格付けされる必要があります。

HAC Telecoil test

【T定格カテゴリ】

Category Telephone parameters WD signal quality
[(signal + noise)-to-noise ratio in decibels]
Category T1 0 dB to 10 dB
Category T2 10 dB to 20 dB
Category T3 20 dB to 30 dB
Category T4 > 30 dB

 


ULのHAC対応サービス

ULではKDB 285076補聴器両立性に関する機器認証ガイダンスに従い、HAC-RF試験(M定格)、およびHAC-T Coil試験:テレコイル音声磁界結合試験(T定格)の要求に対する確認が可能です。

詳細は下記の問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせください。

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